自律神経について 〜“なんとなく不調”の正体〜

最近、「自律神経を整えるといいですよ」なんて言葉、よく耳にしませんか?
なんとなく体に良さそうだとは思うけど、そもそも自律神経って何?整えるってどういうこと?と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

すごく簡単にいうと、自律神経とは自分の意思とは関係なく、体の中で常に働いてくれているものです。

たとえば「目を閉じてください」と言われれば、すぐに閉じられますよね。でも、「心臓を止めてください」と言われても心臓は止められないし、「胃に今から消化してって命令してください」「汗を大量にかいてください」と言われても、そんなことは不可能ですよね。

そんな、自分ではコントロールできないけど、生命を維持するために欠かせない働きこそが、自律神経の役割です。

例外的に、呼吸は意識してコントロールもできるけれど、放っておいても自然に続いています。実はこれにも、自律神経の関わりがあります。例えば、ずっと息を吸い続けようとしても、あるところで必ず吸うのをやめてしまいますよね?これは「ヘーリング=ブロイエル反射」という体の仕組みで、肺に空気が入りすぎて破裂してしまわないよう、自律神経がブレーキをかけているんです。まさに、体の安全装置のようなものですね。

私たちの体は、目に見えないところで常に絶妙なバランスを保ちながら動いています。だからこそ、「自律神経が乱れている」という状態では、体のあちこちで不調が起こりやすくなるんですね。

なんとなく疲れが取れない、眠りが浅い、イライラしやすい、気分がすっきりしない…。それはもしかしたら、自律神経のバランスが少し崩れているサインかもしれません。

では、そんなとき鍼灸はどんなことができるのでしょうか?

鍼灸では、手や足、皮膚のごく浅いところに優しい刺激を加えることで、体の内側—たとえば呼吸や内臓、血流など—に働きかけることができます。これは「自律神経反射」と呼ばれる仕組みで、外からの小さな刺激が、体の中のリズムをそっと整えてくれるのです。

強い刺激ではありません。むしろ、「あ、なんか呼吸が楽になった気がする」「体がふわっと軽くなった」そんな穏やかな変化の積み重ねで、少しずつ本来のバランスを取り戻していくような治療です。

もし、「最近なんとなく調子が悪い」「休んでも疲れが抜けない」と感じていたら、それは体がそっと出しているサインかもしれません。

そんなときは、ぜひ一度神明鍼灸治療院へご相談ください。
自律神経のリズムを整えていくお手伝いをさせていただきます。

筆者:佐久間 渓矢

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