鍼灸の副作用について

鍼灸治療を受けたあと、眠くなったり、体がだるく感じたり、ときには筋肉痛のような症状が出ることがあります。
これらは「瞑眩(めんげん)」と呼ばれ、一般的には「好転反応(こうてんはんのう)」と考えられています。

つまり、体が良くなろうとする過程で起きる反応とされています。


瞑眩(めんげん)が起きる理由とは?

では、なぜ鍼灸治療のあとに瞑眩が起きるのでしょうか?

漢方薬の場合は、生薬が持つ薬理作用が体に影響を与えるため、体質や症状によっては服用を中止すべきケースもあります。

一方、鍼灸の場合は、
鍼刺激やお灸刺激による血流改善
微細な傷の修復をきっかけとした生体反応
によって、体の自己治癒力が活性化することが原因と考えられています。


瞑眩が出たらどうすればいいの?

基本的には、瞑眩が出ても過度に心配する必要はありません
体が鍼灸刺激にしっかりと反応しているサインなので、治療後はゆっくり休むことが大切です。

また、瞑眩が落ち着いたあとに体がスッキリしたり、不調が軽減したと感じる方も少なくありません。

ただし、症状が長引く場合や強く出すぎる場合は、無理をせず、担当の鍼灸師に相談しましょう。


鍼灸にはリスクはないの?

鍼灸治療は、正しく行えば非常に安全な施術です。
しかし、ごく稀に以下のようなリスクが報告されています。

  • 胸郭部で鍼が深く刺さりすぎることで起こる気胸(ききょう)
  • 衛生管理が不十分な場合の感染症(B型肝炎など)
  • 内出血や軽いめまいなどの一時的な副反応

当院では、こうしたリスクを最小限に抑えるため、

  • すべてディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用
  • 施術記録を詳細にカルテに記載
  • 常に衛生的な環境を保つよう徹底管理

などを行い、安全・安心な治療環境を整えています。


最後に

鍼灸は、体に本来備わっている治る力を引き出す治療法です。
その過程で一時的に不調を感じることがあっても、それが体の変化のサインである場合もあります。

不安なことがあれば、どうぞ神明鍼灸治療院までお気軽にご相談ください。

筆者:佐久間 渓矢

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