花粉症と東洋医学

花粉症産業

春になると、街は一斉に「花粉症対策」の広告であふれます。

日本の花粉症関連市場は、マスクや医薬品、関連グッズを含めると数千億円規模ともいわれ、まさに一大産業です。

それだけ多くの人が悩み、そして多くのお金が動いているということです。


私自身も花粉症患者です

実は私も、中学二年生から花粉症です。スギ花粉の時期は毎年つらい。

いろいろ試してきましたが、症状そのものに最も効果を感じたのは医療機関での治療(注射・内服)でした。

これは個人的な体験ですが、抗ヒスタミン薬やステロイド、免疫療法などは明確な作用機序があります。


「花粉症改善整体」「東洋医学で根本改善」

街にはさまざまな言葉が並びます。

  • 花粉症改善整体
  • 鍼灸で体質改善
  • 自律神経を整えて花粉症克服

しかし、ここは冷静に考えたいところです。


花粉症は「免疫反応」

花粉症は、花粉というアレルゲンに対するIgEを介したアレルギー性炎症反応です。

ざっくりとしたロジックとしては、

  1. アレルゲン(花粉)が侵入
  2. IgE抗体と結合
  3. ヒスタミン放出
  4. 鼻水・くしゃみ・鼻閉

という流れで起こります。

これは局所の免疫反応です。


東洋医学や整体で何ができるのか?

正直に言えば、花粉症そのもの(免疫反応)を、整体や鍼灸刺激だけで制御するのは難しいと私は考えています。

なぜなら、局所の免疫反応を、体表からの刺激でどうにかできるのなら、最初から注射も内服も必要ないからです。

仮に、「数ヶ月かけて体質改善」と言われたとしてもその頃には花粉のシーズンが終わっています。


ただし、付随症状には意味がある

とはいえ、東洋医学的アプローチが全く無意味とは思いません。

例えば:

  • 鼻を何度もかむことで起こる頚部筋緊張
  • くしゃみによる背部筋の過緊張
  • 鼻閉による睡眠障害
  • それに伴う緊張性頭痛

こうした随伴症状には、

  • 頚部・背部の筋緊張緩和

といった点で一定の効果は期待できる可能性があります。

つまり、花粉症そのものではなく花粉症によって起こる二次的な不調に対しては、一定の意味があるかもしれません。


漢方はどうか?

漢方薬(小青竜湯など)は、一定のエビデンスがあり、体質によっては効果を感じる方もいます。

しかし重要なのは、漢方も医薬品であり、処方は医療機関で行われるものという点です。


結論

もしあなたが、

  • 花粉症そのものをどうにかしたい
  • 鼻水・くしゃみを止めたい
  • 目のかゆみを抑えたい

のであれば、まずは医療機関を受診しましょう。

そのうえで、

  • 首こりがつらい
  • 頭痛がひどい

といった随伴症状でお悩みであれば、そのケアとして整体や鍼灸を利用するのは選択肢の一つかもしれません。

また、まだエビデンスはありませんが、鍼灸の持つ神秘的な効果に期待して、頼ってみるのもありかもしれないですね。


花粉症はビジネスになりやすいテーマです。
だからこそ、何を改善したいのかを見極めることが大切だと思っています。

みなさまが春が少しでも楽に過ごせますように願いつつ、私も花粉症対策に勤しみたいと思います。

もし、花粉症で体がしんどい、あまり薬に頼り過ぎたくない、という方で、鍼灸に興味がありましたら、神明鍼灸治療院にご相談ください。

筆者:神明鍼灸治療院

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